心臓血管外科
診療内容

冠動脈外科

 動脈グラフトを多用するのみならず、長期の開存が明らかになってきたNon touch大伏在静脈を使用する手術を行っています。低侵襲術式である人工心肺を用いない方法(OPCAB)は、冠動脈バイパス術の約半数を占めています。カテーテル治療では対応できないびまん性狭小冠動脈疾患に対しても試みています。

 

弁膜症手術

 僧帽弁閉鎖不全症に対しては当院では以前、全乳頭筋温存僧帽弁置換術など標準的な僧帽弁置換術より、心機能的に有利な術式を開発し、高い評価を得ていました。現在は僧帽弁閉鎖不全症に対しては弁形成術を第一選択としており、解剖学的形態で安全が担保できる場合は小開胸の低侵襲手術(MICS)も行い、早期社会復帰に努めております。
 大動脈弁に対しては高齢化社会に伴い大動脈弁狭窄症が増加しつつあります。循環器内科とともにハートチームで人工弁置換術と経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)の選択を適正に適応を判断しております。

 

大動脈手術

人工血管置換術

 胸部大動脈瘤も腹部大動脈瘤も伝統的に手術件数が多く成績も良好です。超低体温逆行性脳還流法という胸部大動脈瘤手術の補助手段は当院上田、三木(共に元部長)らが世界に先駆けて行い、良好な成績を世界に発信したことから、天理テクニック、ジャパンテクニックとして知られています。
上行大動脈、弓部大動脈、胸部下行大動脈、胸腹部大動脈、腹部大動脈に至るあらゆる領域に対する人工血管置換術を行っております。

 

ステントグラフト内挿術

 2007年7月から開始し、すでに累積は1000例を超えています。放射線科とともにチームを組んで行っており、長期の良好な成績を見越したtype2 endoleak予防のための細かな血管へのコイル閉塞処置や、通常の管腔状ステントグラフトでは立ち行き出来ない形態には開窓やブランチの工夫も行っております。
適応は大動脈センター内のカンファレンスで適切に判断しております。

 

不整脈外科

 心房細動を合併する開心例では、Radiofrequency ablationを用いた低侵襲のMAZE手術や心室頻拍に対するCryoablationを行っております。

 

先天性心疾患

 以前は乳児期以後の複雑心奇形に対する手術も行っておりましたが、現在は成人した先天性心疾患患者さんと以前先天性心疾患で手術を受け成人となって新たに手術が必要となった患者さんに対し治療を行っております。

 

末梢血管外科、その他

 閉塞性動脈硬化症や急性動脈閉塞に対する血栓除去術を行っております。
人員の都合により2022年4月より下肢静脈瘤に対しする治療は体制が整うまで停止しております。

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